電脳道楽館S ミスティック・ミュウ/第2話 勇者の伝説 #3 聖地ノスパーサ  

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ルビーの口からこぼれ出た真実は、その場にいた全員を驚かせた。

まさと「ほ、ほんとにほんとなのか!?」
ルビー「ほんとよっ! この期におよんで嘘ついてもしょうがないじゃない・・・・。」

218.jpg
柱に麻縄で縛られたルビーは低いイントネーションで言う。ミュウもどう反応していいか分からず困っているようだ。さっきから、一言も喋らない。

まさと「・・・・・・・・とても18歳には見えん。」
ルビー「ど、どうせ老けてるわよ。」
まさと「ああ、ちがうちがう。色っぽいんだよ。いい女ってやつ。ミュウなんかに化けなくてもころっとまいったかも知んな・・・うがぁ!」

すかさずミュウの激烈極まる蹴りが俺の脇腹に入る。

ミュウ「なんかとはなによ、なんかとは。」
まさと「かっ・・・はぅ・・・いてぇよぉ〜乱暴だよぉ。」
ミュウ「何言ってんだか。あんたの口の方がよっぽど粗野じゃない。それはともかく、さっきまでの記憶が無いってどういうことよ? まさか、言い逃れじゃ?」
ルビー「ち、ちがうわっ、ほんとにわからないのよ! 街で寝付いてからの記憶が無いのよ。気がついたらここに居たの!」

そうなのだ。ルビーはその容姿と裏腹に俺よりも二つも年下だったのだ。いや、これはこれで驚きなんだが、もっと肝心なのは、”魅惑のルビー”でいた時の記憶がまったく無いらしい。
これにはまいった、経緯とか、背景とか聞こうにも聞きようが無いのだ。

ミュウ「とは言ってもねぇ・・・。」
まさと「うん。この惨状を見て立ったまま気絶してるマスターと、ミュウが空けた大穴は元にも・・・ぐぁっ!」
ミュウ「誰のせいでこうなったのよ。大呆け勇者様。」

またまたミュウの蹴りが入る。まったく、手と足だけはやたら早い。あ、口も早いか。

ミュウ「ん? 何か言った?」
まさと「いえいえ、滅相も無い。」
ミュウ「とにかく、嘘はついてなさそうね。操られていたか、術で別の人格を植え付けられてたってとこかな?」
ルビー「そうよ、きっとそうよ、だから、・・・・ほどいて。」
ミュウ「だぁめ。今はシルフィーが寝ちゃってるからねぇ。シルフィーが起きて、ちゃんと調べてもらうまではそのままいてもらうわよ。」
ルビー「あぅ・・・・。」
まさと「魔導三人衆とか言ってたよなぁ、って事はだぜ、後二人は誰かに襲われるって事か? 俺は勇者なんかじゃ無いってのによぉ。」
ミュウ「ふっ。今まで半信半疑だったけど、襲われるって事はよ? つまりは、勇者の可能性が低くはないって事じゃない。いい加減、覚悟決めた方がいいんじゃない?」
まさと「げ。人事だと思って適当な事言ってねぇかぁ?」
ミュウ「へへっ。まぁ、いいじゃない、勇者の謎を追っかけるのが、一番の近道そうだしね。あんたがこれからどうするのがいいのかって。」
まさと「んぁ。まぁ、そう言われりゃそうだけどさ。身が持たんぞ、実際。」
ミュウ「あたしはもう腹くくったわよ。」
まさと「へぇ、すげぇ肝座ってんな。」
ミュウ「そうよ。だって、あたしだもん。」
まさと「・・・な、なんか、凄く説得力があるんだが。」
ミュウ「そう? やっぱ似てんのかな? 父さんに。なんの脈絡も無く自信家だったらしいわ。」
シルフィー「・・・ふぁぁぁ。」

ようやくシルフィーが目を覚ましてくれた。
これでようやくルビーが本当の事を喋っているのかが分かる。
ミュウに促されてまだ少しふらふらしながらも、シルフィーが記憶をたどる魔法リビュウを使った結果、ルビーが本当の事を言っている事が分かった。

ミュウ「だめかぁ。記憶が無いんじゃ、なんの手がかりにもならないわねぇ。・・・・とにかく、明日、予定通りノスパーサへ行ってみるしかないわね。」
まさと「そぉだなぁ。」

結局、この日はそのままエルブンに泊まる事になった。
ルビーはというと、身の潔白が証明されたので、縛を解かれ、マスターの温情により、エルブンが修理出来るまで、しばらくの間無償労働する事となった。

そして翌朝、再びミュウにたたき起こされて、ノスパーサに向かって出発した。

エルフの村を離れて、歩く事2時間くらい、聖地ノスパーサは生い茂る森に囲まれた、小高い丘にあった。
森を抜けて丘を上り切るとそこに祠があるという。
俺達はさっそく森へ足を踏み入れた。が、いきなり熊のような大型の獣に囲まれてしまった。

まさと「おいおいおいおいっ、どうすんだよこれっ!」
ミュウ「まさとっ、手をだしちゃ駄目! シルフィー。」
シルフィー「はぁい。・・・・・・。」

シルフィーは何やら呪文のようなものを唱えているようだ。何を言ってるのかはこちらまでは届かず聞き取れない。

シルフィー「スリーフィアァ〜。」

とたんに、周りを囲んでいた獣達はぐうぐうと寝息をかいて眠りこけてしまった。

219.jpgまさと「眠らせたのか。」
ミュウ「そういうこと。いい? ここはね、もうノスパーサの結界の中なのよ。この獣達は聖地を守る番人でもあるって事ね。」
まさと「ん? ってえと、危害を加えるとなにか起こるって?」
ミュウ「どこか遠くへ飛ばされるか、最悪命を落とす事もあるって話。」
まさと「・・・とんでもねぇ。」
ミュウ「危害を加える者に対してはここの獣達は容赦しないわ。反面、危険のない者に対してはとても温厚で、友好的でもあるのよ。判断はむこう任せだけど。」
シルフィー「そぉだよぉ、ほんとはみんないいこ達だよぉ。・・・ごめんね、ちょっとだけ眠っててね。」

そういいながら、シルフィーは眠っている獣の頭をなでている。
番人の妖精とも仲がいいらしいし、シルフィーがいればなんなく祠へたどり着けそうだ。
眠る番人達を後に俺達は森を奥へと進む。
俺は、ふと目をやった木陰にリスのような小動物が居るのに気がついた。

小動物「きゅ。」

なんとなく、俺は声をかけてみる事にした。

まさと「わりぃな。お前らの住処ちょっとだけ通らせてもらうぞ。」

そのとたん、その小動物は奇声をあげて飛び掛かってきた!

220.jpg小動物「キィアァァァァァー!」
まさと「ぅ、うわぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」

小動物のツルのように伸びた二股の尻尾が首に巻き付き急激に締め上げてくる。

まさと「ぐっ。」
ミュウ「まさと! まさかそいつに声を!?」

こっちの状態に気がついたミュウが駆け寄ってくる。しかし、もう意識がもうろうとしてきていて、すぐ俺は意識を失った・・・・・・。

薄れ行く意識の中で俺は昔あった出来事を思い出していた。
人間死ぬ時は昔あった事が走馬灯の様に蘇るとか聞いた事があったが、俺はここで死んでしまうのだろうか?
にしても、思い出したそれは、今にしても不可思議な出来事だった。
幼稚園に通っていた頃だったか、俺はこの頃から曲がった事が嫌いで、良く、近所の不良どもに喧嘩を売っては敗退を繰り返していた。
そんなある日の事だった。かつあげの現場に出くわしたのだ。
かつあげとはつまり、金を脅し取るという事だ。
221.jpg小学校2,3年くらいの子供、いや、子供といっても当時の俺から見ればお兄ちゃんというやつだが、そいつが不良どもに囲まれ、震えるその手で今まさに財布をさしだそうとしていた所だった。

まさと「おいっ!そいつらに渡すんじゃないっ!」
小学生「え?」
不良A「なんだおめぇ。」
まさと「かつあげやめろ!」
不良B「なにいってんだよ。おこづかいもらってんだ。あっちいきな。」

<ゲシッ>

間髪入れず俺は身の丈が自分の倍は在ろうかというその不良の足めがけて渾身の蹴りをぶちかましていた。
その後はもう、幼稚園児がかなう訳も無く。たこ殴りにあった。いつもまぁ、こんな調子である。
大抵はさんざんぱら殴り尽くすと不良どもは金を取るでもなく去ったりする事が多かったんだが。
この時は違った。
どんっと言う鈍い音と共に、その不良が向こうへ飛ばされた。

???「いい加減にしないと、もっと痛い目にあうわよっ!」

俺と同じように通りがかった女の子、といっても見かけは高校生くらいだったが。その女の子に不良は殴り飛ばされたのだ。

不良B「っててててて・・・なにしやがんだぁっ!?」
女の子「あれ? 殴られ足らない? んじゃ・・・。」

222.jpg
その後は不良どもと女の子の壮絶な殴り合いが展開された。
いや、殴られていたのは不良どもの方。女の子は不良どもの動きを見切っているのか、難なくそれをかわし、反撃の拳を着実に入れている。圧倒的だった。

不良どもはかなわないと思ったのか、ありきたりな捨て台詞を残して走り去っていった。

女の子「ふん。・・・・・あ、大丈夫?あんたたち。」
小学生「あ、ああ、あ、ありがとう。」
まさと「・・・・・・・。」

ばつが悪いというか何というか。同じように通りかかりながら、結果は大違い。俺は返す言葉が見付からなかった。

女の子「ふぅん。怪我はしてないね。よしよし。」

女の子が笑いかけると何度か頭を下げその小学生も走り去っていった。
後に残ったその女の子と俺。

女の子「・・・・・・・・弱いねぇ。」
まさと「う、うるさい!」
女の子「でも、ちょっとかっこよかったぞ。関心関心。」

そう言いながら、女の子は俺の打ち身やら擦り傷の多い所にそっと手を当てる。

まさと「ぃちっ。」
女の子「ほら、じっとして。すぐ済むから。・・・・リフレース。」
まさと「あ、あれ?」

さっきまでじんじんと痛かったのに、すっと痛みが引いた。

女の子「もう痛くない・・・よね?」
まさと「え?・・・・・・・・うん。何?今の。」
女の子「ふふふっ、おまじない。じゃあね。」

女の子がそのまま行こうとするので思わず手を引っ張って止めた。
子供心に借りを返そうと思ったのだ。

女の子「あ、なに?」
まさと「こっち。」

俺は女の子の手を引いて一番近くの自動販売機の前まで来た。

まさと「どれがいい?」
女の子「なに? この箱。中に筒がはいってる。選べばいいの?」
まさと「自動販売機。しらない?」
女の子「ううん。全然。」

ほんとにそんな事があるのかと、疑いながらも自動販売機の説明をした。

女の子「ふぅん。飲み物なのね。でも、いいの?」
まさと「うん。」
女の子「じゃぁ・・・んとね、これがいいかな。」

買った飲み物をすぐ近くの神社の境内でならんで座って飲んだ。

女の子「面白い味。ぴりぴりするし。」
まさと「コーラだよ。飲んだ事無い?」
女の子「はじめて。でも、甘くて美味しいね。」

そうこうしてるうちにさっきの小学生が親子で戻ってきた。俺達を探してたらしい。
その小学生の親から散々礼を言われ頭を下げられた。

親子が帰ると二人してため息。

女の子「あはは。なんか、疲れた〜。」
まさと「うん。めんどくさかった。」
女の子「あ・・・。」

そのとたん女の子の体が足元から透け始めた。

女の子「もう戻る時間みたい。」
まさと「戻るって、え?え?」
女の子「私の世界へかな? 飛ばされてきたみたいなの。」
まさと「帰るの?帰れるの?」
女の子「多分ね。・・・・・・・・・ねぇ。」
まさと「うん?」
女の子「あんた、将来いい男になれるかもね。素質あるよ。」
まさと「う・・ん。わかんねえや。」
223.jpg女の子「じゃぁ、いい男になれるよう、おまじないしてあげる・・・・。」

そう言うと女の子は身をかがめ・・・・・・俺のおでこにキスをした。
その瞬間俺は目の前が真っ白になった。生まれて始めての経験に何がなんだか分からなくなった。
我にかえった時には女の子の姿は無く。コーラの空缶だけが2本並んで置かれてあった。
目の前で人が消える。余りにとっぴな話しだったので、すぐ記憶の奥にしまい込んでしまった出来事だった。

この出来事を思い出してすぐ、俺は意識を完全に失った。
そして、気がつくと、物凄く心配そうなミュウとシルフィーの顔が目の前にあった。

224.jpgミュウ「ああ、気がついた。まさとっ、大丈夫?」
シルフィー「まさとさぁぁぁん。」
まさと「う・・・気分悪ぃ。」
ミュウ「そりゃそうよ、あんた首閉められて、死に掛けてたんだから。」
まさと「え、ああ、そうか、そうだっけ。」
シルフィー「そぉだよぉ、ミュウがふーってやらなかったらほんとに危なかったんだからぁ。」
まさと「ふー?」
ミュウ「んー、ちょっとね。心臓は動いてたんだけど、息してなかったから。蘇生術を、そのちょっと。」
シルフィー「ちゅーしてたね。」
ミュウ「ち、ちがっ・・・。」
まさと「蘇生・・・・・ちゅう?・・・・・・・はっ! まうすつーまうすかぁぁぁぁ!?」
ミュウ「ち、違うわよぉ。し、したけどそうじゃなくてぇっ。」
まさと(そうか、それであの頃の事思い出したのかも?)
ミュウ「しかっ、しかたなかったのよ。こんな所で死なれたら後味悪いじゃない、それでしかたなく・・・・。」
まさと「ミュウ、・・・・・・ありがとな。」
ミュウ「あ、うん。いいよ、長老に合わす顔無くなっても困るし。」
まさと「・・・・それはそれとして。どうせちゅうしたんなら、もっかいさせろぉぉぉ。俺には記憶が無いぃぃぃ。」
ミュウ「そ・・・・。」
まさと「がっ。」

やっぱり殴られました。

ミュウ「そ、それだけ、元気ならもう大丈夫そうね。さぁ、先に進むわよ。それから、むやみに動物に近づかない事。いい?」

そそくさと歩き出すミュウ。まぁ、なんていうか、借りが出来ちまったかなぁ。
森のかなり奥深く、もう丘がすぐそこに見えるような位置に来た頃、シルフィーは俺とミュウをここで待たせ、茂みの奥へと入っていった。
しばらくして、小走りに戻ってきたシルフィーの手には、何か光る小さなものが抱かれていた。
それが、ノスパーサの番人、”妖精ファルネ”だった。

225.jpgミュウ「お、お久しぶりです。」

緊張しきった振りでミュウが挨拶をする。
こんな手のひらサイズの妖精がそんなにも恐いものなんだろうか?
そんなミュウに対し妖精はほとんど黒目しか見えないその目をくりんと・・・見開いても黒目ばっかりだったが、視線をミュウに向け微笑みかえす。

シルフィー「ファルネ、この人がぁまさとさん。」
まさと「うっす。」
妖精「・・・・・・。」

妖精は言葉も無くものめずらしそうに俺の方を見ている。

シルフィー「まさとさん、手を出してって、ファルネが言ってるよ。」
まさと「へ? 何にも聞こえなかったが。」
ミュウ「まさと、ファルネの声が届くのは、極一部の限られた者だけなのよ。声じゃないの。」
まさと「へぇ。そうなのか。あ、手を出すんだっけ。」

226.jpg
俺が手のひらを上に向けて腕を押し出すと、妖精はシルフィーの手のひらを離れ、ふわふわと漂うように宙を舞って、俺の手のひらに降りてきた。
そして、今また俺の顔を覗き込むと、今度は俺の手のひらをさすり始めた。
ちろちろとくすぐられてるような感覚。
次に妖精は更にうつむきになって俺の手のひらのさっきまでなでていたあたりを・・・・・・・噛んだ。
しかも、ちゅうちゅうと音を立てて、血を吸っている!っておいおい吸うなよっ!

まさと「ってててててててっ!」
ミュウ「あっ!!」

突然の痛みと吸血という行為に驚いた俺は、思わず妖精を振り払ってしまった。
聖地の番人を放り投げてしまったのだ。
その自分がとった行動に気がついた俺は、宙を舞う妖精を追い、何とか受け止めた。

まさと「すまん。だいじょうぶか? お前がいけないんだぞ、急に噛んだりするから。」
妖精「・・・・・・・・・。」

妖精は何を言うでもなく、俺を正視している。さっきとは違ったまじめな表情に見える。

妖精「・・・・・・・・・・イソグガイイ、チカラハ、オマエヲ、マッテイル。」
まさと「え? ちから? 力か? あ、声が・・・聞こえてる。」
シルフィー「まさとさぁん、おめでとぉ、合格だよぉ。」
ミュウ「あ、ほんと? 一時はどうなるかと思ったわよ。」
まさと「え? 合格? んじゃ、通っていいって事?か?」
妖精「イソゲ、チカラ、ネラワレテイル。クサナギ、マモレ。」
まさと「え? くさなぎが狙われてるのか?」
妖精「マノモノガ、チカクニイル、ケッカイ、キカナイ。」
シルフィー「ええええええ? まさとさん急そごぉ! 大変だよぉ!」
ミュウ「まさか、くさなぎを狙って魔物が入り込んだの?」
まさと「らしい、結界が効かないみたいだ。おいミュウ、祠はどっちだ!?」
ミュウ「こっち!」

227.jpg
言うが早いかミュウは祠があるらしい方向へ走り出した。俺もそれを追う。
丘の裾にたどり着くと休みもせずミュウはそのままの勢いでぐんぐん丘を駆け上っていく。例の赤い鎧を着けたままでこの速さ。まったく凄い脚力だ。
もうちょっと体を鍛えておくんだったと思いながら、俺ははぁはぁ息を切らせつつ丘を上る。シルフィーは俺の少し後方。彼女はマイペースで調子良く走っているようだ。

俺達が祠にたどり着くと、そこでは、ミュウと、赤い鎧以上に奇妙なっ格好の女が対峙していた。

女「ふふふ。遅かったわね。もう充分調べさせてもらったわよ。」
ミュウ「なに? くさなぎをどうしたの!?」
女「聞いてどうするの? どの道あなたには理解出来ない事よ?」
ミュウ「言いなさいっ!!」

228.jpg
その女は、レオタードのような衣装を身につけ、その肩には妙に金属質なドームのようなものがあり、祠の上で堂々と構えていた。
とても、剣と魔法の世界らしい、このティラに似つかわしくないものだった。
祠の頂上までは10mくらいあって、ミュウは手を出す事も出来ず、ただ叫んでいた。

まさと「なんだありゃ。まるでSFの戦闘スーツじゃないか?」
ミュウ「戦闘・・・なに?」
まさと「俺の世界のな、空想のお話に出てくる、強力な鎧みたいなもんのこった。力を強くしたり、凡人でも魔法みたいなの使えるんだ。あ、あれがそうだとは限らないけど。」
ミュウ「なによそれ・・・・凄く厄介そうじゃない。勘弁してよね〜。」

俺達がそうやってコソコソ耳打ちしてる間も、その女は余裕綽々でこちらを眺めている。

ミュウ「とにかく! あんた誰よ!? くさなぎをどうしたのかはっきり答えなさい!」
女「まぁいいか。教えてあげるわ。私は魔導科学のパール。魔導三人衆の二人目って訳。私はここにある聖剣くさなぎをもらいに来たのよ。」
まさと「科学? じゃ、あれはやっぱり戦闘スーツ?」
パール「ルビーが早々に負けちゃったのは計算外だけれど。おかげで、あなたたちの始末も私の仕事になっちゃったわ。」
ミュウ「冗談じゃない! 誰が!」
パール「あきらめなさい。どう抵抗したって、このソーサルブースターの敵じゃないわ。ちょっと早いけど、ここで終わりにしてあげる。勇者さん。」

そういうと、パールはゆっくりと宙に浮いて俺達の方へ向かってきた。さぁどうする?

第2話#4ヘ続く−

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